にきび・にきび跡の治療方針
「にきび」に対しての治療方針
にきびは毛穴が詰まり、炎症を起こし、多くの場合治った後にニキビ痕が生じる病気です。主に若者の顔に生じます。
毛穴が詰まる原因は皮膚のターンオーバーの乱れとホルモンバランスの変化で起こる皮脂の過剰分泌です。にきびの状態も様々で、肌が盛り上がったもの、赤く腫れあがったもの、膿んで白っぽくなったものがあります。悪化すると治療が難しくなるため、早めの治療が大切です。
当院では健康保険適用の治療から美容診療まで様々なメニューがあります。にきびでお困りでしたら、お気軽にご相談ください。
「にきび跡」に対しての治療方針
にきびが悪化して化膿し、皮膚がやぶれるとにきび痕になってしまうことがあります。誤ったにきびケアで悪化する場合もあり、早めの治療が必要です。
にきびを作らないことが一番の予防ですが、にきびが繰り返しできるようなら、早めに専門医にご相談頂くことが一番です。 これまで、にきび痕は完治させることが大変でしたが、治療法の発達でかなり目立たなくすることも可能になってきています。にきび痕でお悩みの方は当院までお気軽にご相談ください。
保険診療と美容診療の違い
保険診療での治療
にきび治療を希望される患者様は10~20代前半の方が多いため、当院では健康保険適用の治療をお勧めしています。炎症が強く、繰り返すことでニキビ痕ができてしまった場合には、保険の範囲で治す事が難しくなるため、炎症が軽いうちや、毛穴の詰まりで皮膚がボコボコしているだけなどの軽症のうちに治療を開始することをおすすめします。
状態で治療方法は異なりますが、基本的には肌の新陳代謝を促すお薬や、表皮細菌の繁殖を抑える塗り薬を用いるほか、抗生物質やビタミン剤、ステロイドなどの内服薬による薬物療法が中心です。また、女性の患者様で生理前に悪化する方には、漢方薬がお勧めです。最近では、にきびへの効果の高い薬も開発されています。 にきびは悪化させないことが何よりも大切ですので、お薬の治療だけでなく、スキンケアの方法や食事、日常生活の注意点など、生活指導も同時に行っていきます。
美容皮膚科ならではの治療
保険治療だけでは十分な効果が表れない患者様もいらっしゃいます。そのような場合は、ピーリングやレーザー治療などによる施術、より効果の高い健康保険適用外の外用薬の処方など、美容医療ならではの治療をいたします。
その際は、必ず患者様ご本人(未成年の場合は保護者)から同意を頂いた上で治療を行っていきます。そのほか、スキンケアや生活面のアドバイス、栄養面の指導も併せて行っておりますので、お気軽にご相談ください。
にきびの種類
赤みはないが、毛穴がつまった状態(白にきび・黒にきび)
にきびの初期の段階では毛穴が閉鎖して、盛り上がった先端が白っぽく見えます。この状態を「白にきび」といい、内容物が次第に増加して毛穴が開いて内容物が顔を出し、黒色の塊として見られる状態を「黒にきび」といいます。
まだ炎症を起こしていないので、炎症にならないよう、詰まった老廃物をしっかり取り除き、適切なスキンケアを行うことが重要です。
赤みの強い炎症にきび(赤にきび)
詰まった皮脂に、雑菌やお肌に常在するアクネ菌などが感染して、炎症を起こし先端部が赤くなった段階が「赤にきび」です。炎症性挫創とも呼ばれます。さらに悪化するとにきび痕になってしまうため、できるだけ早く治療を行う必要があります。
赤みが少し落ち着いてきているにきび
赤にきびは、炎症が少し落ち着いてもまだ皮膚に赤みが残る場合があります。炎症自体は残っているので、放置すると再発することもあり、しっかりと治しておく必要があります。
赤みは落ち着き、色素沈着が多くなってきている状態
赤にきびの炎症が治まった後、炎症が強かった部分に色素が沈着することで、しみのような褐色のあとができることもあります。一般的には数か月で薄くなりますが、紫外線の影響を受けやすい状態なので、紫外線対策が重要です。
にきび痕になっている状態
炎症が真皮まで達してしまうと、痕になった皮膚がへこみ、クレーター状の瘢痕となってしまいます。この状態になると治療は大変難しくなり、ほとんどの場合は美容医療で治療することになります。
当院の治療法
アゼライン酸クリーム(保険適応外)
アゼライン酸は酒さや脂漏性皮膚炎、ニキビ、ニキビ痕の治療に有効な成分です。 アゼライン酸は、小麦粉やライ麦などの穀類に含まれる飽和ジカルボン酸で、催奇形性試験、遺伝毒性試験および耐性獲得試験の全てで陰性であり、安全性が高いことがわかっている薬品です。そのため、妊娠中や授乳中の女性にみ安心してしようできる特徴があります。
アゼライン酸は、ヨーロッパ、アメリカ、アジアなど世界の80カ国でニキビ用医薬品として承認され、約30年間皮膚科などで販売されている歴史があります。欧米のニキビ治療標準書でも、面皰(メンポウ)治療においてアゼライン酸はビタミンA類の医薬品に次いで推奨されており、国際的な「ざ瘡治療アルゴリズム」の中でも、面皰から炎症性皮疹、集ぞく性ざ瘡にいたるまでの単独あるいは併用療法の第二選択薬として位置づけられています。
アゼライン酸には、皮脂の分泌抑制作用、角化の抑制作用及び抗菌作用、抗炎症作用、が報告されており、非炎症性皮疹と炎症性皮疹の両者に対する有効性が期待できます。アゼライン酸の掻痒や刺激感は、外用レチノイドによる鱗屑や紅斑などの副作用とは異なることから、外用レチノイドに副作用を感じる患者様に対して有効な治療手段となりえます。
ピコフラクショナル
毛穴治療
ピコフラクショナルレーザーを低出力で照射することにより、真皮に LIOB(Laser-induced Optical Breakdown)と呼ばれる空胞を作ります。これにより真皮のコラーゲンやエラスチンの生成を促し、肌のハリや毛穴の開き、小じわを改善させます。
ピコレーザーとしては唯一蒸散モードでの照射が可能であるため、開ききった毛穴の治療にも効果的です。炭酸ガスフラクショナルレーザー照射に比べると、施術後のダウンタイムが短く、炎症後色素沈着を生じにくいのが特徴です。
- このようなお悩みをお持ちの患者様にお勧めです。
ニキビ跡・小じわ改善・毛穴の開きなどの肌トラブルがある方。
1〜2ヶ月に1回、照射を受けて頂くとより高い効果を期待できます。
サーマニードル
お肌に48本のごく細い針を刺し、高周波を流すことで皮膚の深い部分に熱を入れ、加えて針穴から皮膚の深い部分に薬剤を届けることが可能な治療です。
傷を治そうとする力と薬剤の効果によって、表皮基底層がリモデリングされるとともに、真皮のコラーゲンが増え、これによって美肌効果や小顔効果が期待できます。
マイクロニードルRFの特徴
レーザー照射と異なり、患者様のお肌の状態にあわせ0.1mm単位で針を刺す深さを調節できます。それにより、狙った患部に対して正確に高周波を照射することが可能で、お肌の表面に火傷や色素沈着などのダメージを与えることなく、肌の奥の方に広範囲でRFによる熱効果を与えることができます。
期待できる効果として、お肌内部からのコラーゲンや保湿成分を増やし、たるみの引き締めや毛穴・にきび跡などのお肌表面の凹凸の改善効果があります。
ピーリング治療
ピーリングとは、皮膚の角質層を溶かして取り除き、お肌のターンオーバーを修正する働きをするため、ニキビの改善や、くすみや肌のハリを取り戻す効果などが期待できます。
また、炎症後の色素沈着も改善させるため、ニキビ痕などの治療にも効果的です。主に、トラネックスピールやサリチル酸マクロゴールを薬剤として使用しますが、患者様それぞれにあわせて最適なものをご提案しますので、肌の弱い方でも治療可能です。
また、にきび跡の治療では、マイクロニードルRFとピーリングを合わせることにより、へこみを徐々になだらかにする方法もあります。
薬剤の種類
- サリチル酸マクロゴールピーリング
- トラネックスレチピール
- ペパーミントピール
PICK UP!!
コラーゲンハーブピール(ペパーミントピール)について
トリクロロ酢酸(TCA)やリンゴ酸、乳酸、サリチル酸などの成分と、抗シワ成分であるペプチドが一定量配合されているピーリング剤です。
これらで効果を最大まで引き上げるだけでなく、3種類の保湿成分とメントールも含まれているため、ピーリング治療後に起こりやすい「焼けるような痛み」が最小限に抑えられます。そのため施術を受けた後は、サッパリしたような清涼感を味わえるようになります。
効果
- 肌質が良くなる
- 肌の小ジワの減少、ハリ・弾力アップ
- 肌の小ジワの減少、ハリ・弾力アップ
- 美白、くすみの改善
- ニキビの予防、活動性ニキビの改善
- 赤いニキビ跡、茶色いニキビ跡の改善
- 直後からツヤ感が増す